高層ビルの屋上にある「H」と「R」の文字の意味とは?
無駄知識。
ビルの屋上のヘリパッド。「H」は着陸できるけど「R」は着陸できず、ホバリングによる救助(Rescue)のみ。 pic.twitter.com/qg5g2MYBkw— 石渡マコト (@MaK_Ishiwata) 2019年3月27日
Twitterでバズっているのを紹介してもらいました。 知らない人が多いことに驚きました。
ビル屋上「H」と「R」マークの違い
Twitterでも紹介されてるとおり、ビル屋上に記載されている
- 「H」マークはヘリコプターが離着陸できる屋上ビルであることを示し。
- 「R」マークは、ヘリコプターは離着陸できない屋上ビルであり、救助などの際に非常用のスペースがあるものを示します。
「H」は「Helicopter(ヘリコプター)の頭文字。「R」は、「レスキュー(RESCUE)」の頭文字です。
そもそも「H」マークがあるビルはめっちゃ少ない
ビルの屋上に「H」マークを書くためには、ある一定の基準があります。ペンキ代だけではないんです。
そもそも、ヘリコプターって金属の塊なので、軽いもので約3t 重たいと10t近くします。重たいヘリコプターがビルの屋上に乗っかるわけですから、通常のビルよりも構造的に強くないといけません。 その分、建築費用があがります。
屋上のヘリポート自体「緊急用」である。という発想ですから、わざわざお金をかけるところは少ないのです。
ちなみに、3tのヘリはドクターヘリ。10tは海上保安庁のヘリなどです。
「R」があるビルはどのようなところか?
実は俗にタワーマンションと言われているところには、消防庁から各自治体に対して高さ100mを超える高層ビルに「何かあったときの避難用にヘリポート作ったようがいいよ」と推進指導されているのです。 消防庁が推奨しているのは、「H」マークですが、「R」でも良しとしております。
もちろん、「H」マークの基準物件ならヘリが直接降りることができるので、それだけ迅速に人員救助が活動ができます。
「R」マークのビルでの人員救助方法はヘリコプターからクレーンのようなものを吊るして引き上げるという方法が使われます。
このようにクレーンをホイストと呼んでいます。
ちなみに、あべのハルカスの屋上は「H」と「R」どちらと思いますか?
正解は・・
「H」 でした。
そりゃあれぐらいの規模になれば、ヘリコプターが着陸できるぐらいできないと問題になるでしょう。と考える人が多いかもしれません。
実は、あべのハルカスの屋上ヘリポートは「救助用」という目的以外でもうひとつ「災害時の通信の確保」として利用するという変わった特徴があります。
これは東日本大震災時、多くの場所で通信網が確保できず混乱を生じた教訓から備わった機能です。 実際に2015年1月に陸上自衛隊が無線の通信器材を設置する災害対処訓練がおこなれています。
ヘリコプターでは通信器材を空輸し、自衛隊員が非常階段を使って1階から最上階まで通信器材を運び、ヘリポート下のフロアに通信設備を設置しました。
そういえば、大阪に超お金がかかっているヘリポートがありましたね。
最近、動いているのを見てないけどまだ稼働しているのかな?
「H」も「R」も書いていないところは?
では、「H」も「R」マークも書かれていないビルでは、救助作業すらされないのでしょうか? それは「NO」です。
東日本震災のときに自衛隊、米軍、警察航空隊、各地の防災航空隊のヘリコプターが色んな場所に着陸したり、レスキュー作業を実施していました。
「H」と「R」を活用するヘリコプターたち
実際に「H」や「R」マークを活用するヘリコプターは限られています。 警察航空隊、消防庁、ドクターヘリ、防災航空隊などです。
よくマスコミのヘリが上空を飛んでいて「邪魔だ」「なぜ助けない」と言われますが、助けたくても装備がなかったり、実際にはかなり高い高度を飛んでいるので救助するヘリには邪魔になっていないことが多いです。
ちなみに、日本でホイストを装備されており救助活動をするヘリコプターは
- 警察航空隊
- 消防庁
- 自衛隊
- 各都道府県防災航空隊
となっております。 災害時には非常に心強い航空隊です。