日本で空飛ぶ車の実現はできるのか?
出典:経済産業省ウェブサイトを加工して作成
つい先日、空飛ぶ車に関わる仕事を大手転職サイト「ビズリーチ」で紹介されていました。
一般の方からすれば、「空飛ぶ車なんて夢物語だろう」って思われがちですが、技術進化に伴い現実味が出てきました。
実際、経済産業省と国土交通省が合同で実現に向けて動き出しています。関連報道記事
このようなロードマップも公開されており、2023年には事業スタートしそうです。
みんなのイメージとの相違
バック・トゥ・ザ・フューチャーで有名になったデロリアン
このブラックでかっこよいドローンのようなもの
実は、下側のほうが本格的に開発されている空飛ぶ車です。ヘリコプター会社として有名なベル社が開発設計しているBell Nexus というコンセプトモデルです。
バック・トゥ・ザ・フューチャーの映画みたいに、今乗っている車を改造した形で、地上と空を自由に飛べる車をイメージされていたと思います。 ただ実際には様々な問題があり、「まずは空専用」で進める。 と決まったようです。
日本での取り組みについて
経済産業省の議会のはじめにこのような文章がある
将来的に、短中距離を自動で飛行して、安全かつ安価に人や物を移動させられる機体やサ
ービスが実現すれば、例えば、都市部での移動にかかる時間の短縮、離島や山間部での
移動の利便性の向上、災害時の救急搬送や物資輸送の迅速化など、新しいサービスの展
開や各地での課題の解決につながることが期待される。
国が主体となって議題をしているのですが、構成員には航空機メーカー、自動車メーカー、航空運送会社(ANA,JAL)、Uber、ヤマトホールディングスの方々の名前があります。 このあたりのメンバーを見ると本気度が感じ取れます。
このような機体デザインがありヤマト運輸はかなり本格的に動き出しています。
日本での需要について
日本国内での利用については、以下のように考えられます。
- タクシーとしての利用
- BtoB向けの中間物流
- 災害対応
利便性を考えれば人の輸送ができれば理想なのですが、まずは災害対応を向けてスタートするのが現実的のように感じます。
物流に関しては、ドローンでの実証事業は始まっており、今の所大きな事故はないようです。 福島県南相馬市、埼玉県秩父市、長野県白馬村、岡山県和気町、福岡県福岡市にて行われました。
モノのみを運ぶという物流であれば、もし何かあったとしても「損害は軽微」である。と考えた結果だと思います。
今の車のように誰でも簡単に運転できるのか?
これは、そもそも「操縦士の乗せるのかどうか」という点です。
Uberは2020年にエアタクシーを実用化を考えています。 その中では、操縦士ありにて運用開始。 10年程度をかけて操縦士がいらないような規制緩和を図る。としております。
日本の場合、乗客が乗っているのにも関わらず操縦士なし という運用は即座にはOKとはならないでしょう。 無人自動車でも責任問題で揉めているのですから空飛ぶとなるともっと課題は多くなりそうです。
そして、車と異なるところで問題となるのは、「今の航空機(飛行機やヘリコプター)との共存」です。 今飛んでいる航空機は航空法という法律により、「飛行計画、飛び方、離着陸してよい箇所の制限、乗客を載せて飛ぶ場合は厳しい規制」などがありそれにより安全が担保されております。
「空飛ぶ車」のみ適用除外とはいかないので、ひとまず今の操縦士が空飛ぶ車にも乗るっというところで落ち着くのではないでしょうか
今のドローンとヘリコプターの共存は?
現在の飛んでいるヘリコプターは総飛行時間で7万時間飛んでおり、その半分は低高度(150m以下)です。実はドローンが飛ぶ空域と一致するのです。
そのため、ドローンと接触する可能性があるため、衝突回避のためのルール作りが必要と議題に上がっております。
私もヘリ搭乗して飛行業務を行うことがあるのですが、ドローンって小さくて見えないんですよね。 ましてや、こっちは時速200kmで飛んでいるので、見つけたとしても一瞬でぶつかってしまいます。
こういった問題はもちろん考えられており既に実証実験は始まっております。
今後の展開に期待
世界各国で開発が進んでいる「空飛ぶ車」
日本でも近い将来実現する日は近いと感じております。 ただ経済産業省は乗り気でも、航空法を取り仕切る国土交通省がどのように対応していくのかが非常に気になります。
バック・トゥ・ザ・フューチャーが放送された1985年には夢物語であった空飛ぶ車
この時代が近づいているのは間違いないので、非常にワクワクしております。
もし、仕事関係で関われるようであれば、ぜひ関わりたい分野です。