行ってきた

天空の蜂 見てきました! ヘリ屋からの感想も踏まえて

ちはや

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映画、”天空の蜂”を見てきました。 映画を公開初日に見に行ったのは随分久しぶりでした。
映画化されるって話は少し前から聞いていたのですが、その話を聞いた時はとても喜んだと共に、原作を知っていただけにどのように描かれるのかが非常に気になっていました。

なぜならこの映画は、原発テロがテーマだからです。

3.11から数年経った今でも忘れてはらない事実がここにあります。 原発賛成派、反対派、どうでもいい派 本当に見事なまでに今の日本の状況を描写されていると思いました。

ネタバレを含んだ感想になりますので、ご留意ください。
Blu-ray、DVD 販売が決定しています。2月3日発売みたいです。 2015.11.15追記

豪華版になると、実際のヘリを使った記者会見の様子も見れますよ

原発をテーマにして

「天空の蜂」という原作は、東野圭吾さんが20年前に書いた作品となります。 20年前といいますと、東日本大震災はもとより、もんじゅ – Wikipedia の事件の年となります。

今回の標的である原発「新陽」は明らかにモデルは「もんじゅ」です。実際に、1995年12月にもんじゅで事件が発生する前にこの小説を刊行されているところに驚きです。ヘリに関しても、原発に関しても相当調べあげられて書かれたものだと実感しました。  映画では色々省かれていますが、小説にはものすごく細かく書かれています。

この問題に関して、映画化される中で課題があるわけです。 それは、「難しい言葉を俳優が説明してしまう」というところです。 小説では「解説を書いておけばいいこと」なんですが、映画ではそうはいきませんよね。 緊張感がある中、説明に入ってしまう俳優陣。 ちょっと冷めてしまいましたね。 ただこれはないと、「わけがわからない!!」って人が増えるのも理解できます。  一般受けするように考えるって難しいですね。

Big-Bというヘリ

  • 見た目

小説ではある程度モデルがあるヘリでしたが、映画だと違いました。完全にオリジナル仕様でした。監修はAirbusがやったみたいです。

が・・・どうもダサい。 大きさを表したかったのはわかるけど、随分ずんぐりむっくりした状況。

輸送用ヘリといえど、もう少しなにかなかったでしょうか? 特にホリゾンタルスタビライザー(胴体横から出ている翼)。 いらなかったんじゃないの!? ってほど。

空力的に考えてもあまりメリットない感じがします。

  • 性能

燃料満タンで、ホバリングなら8時間可能

これって実際かなりの飛行時間なはずです。 ヘリ自体ホバリングってあまり空力的にメリットがないですからね。 あまりパワー使ってないように思いますが、多少速度出したほうが燃費もいいんです。  この図体とこの飛行時間を考えると、やはり軍事利用を考えますよね。 一応、技術者の湯原には災害時の救助用という話で伝わっていたみたいです。

  • 設計図面

これはパンフレットにあります。

実際に、ヘリの会社が携わったのかな?と思うような図面です。 図面自体ある程度のルールで作られるものです。 そう考えると普段から見ている図面に非常に近いと思いました。 映画ってこの辺の小道具公開とかしないけど、私的にはいつかしてほしいです。

東野圭吾の原作と比べて

少し設定が異なるところがあります。 ヘリに取り残される子供、格納庫に入るのがドアが開いている設定など。

ヘリに残される人物を変更したことで、よりいっそうの家族愛的な物語になりました。ただこうしたことで、原発をイメージしたかったものから少し変化したようにも思えました。
確かに日本人受けするパターンにはなりましたが、あえて小説の設定でも良かったのでは? と思いました。 ただそうなってしまうと、明らかに原発がテーマにしてて一般受けしないとおもったのでしょうか。

一つの映画で”これでもか!”っていう形で詰め込みすぎな感じがしました。 的をしぼったほうが一般受けはしなかったかもしれませんが、非常に奥深い作品になったことだろうとそこだけ少し残念です。

最後の方で、Big-Bが爆発するところですが、原作と映画では設定が異なるような感じがしました。 これは小説には推測の不具合を書いていますが、映画では詳細が触れられていません。

小説での爆発原因

ヘリのエンジン停止に伴い、ローター回転数が低下を感知して爆発する仕組みでもしてたのだろう。

みたいなことを書いていましたが、これに関しては疑問点が残ります。

通常の人が操縦しているヘリを考えると、全エンジン停止判断した瞬間、オートローテーション操作に移ります。 こうなると、本当に僅かに落ちる程度であとは回転数が増加していくものになります。 最終的には、上がり過ぎを警戒しながらの操作となります。
但し、今回は少し異なります。 全エンジン停止し、ローター回転数が落ちて、飛んでおく力が無くなってから落下し始めるBig-B。 そこからやっと操縦が湯原(江口さん)が持つコントローラーで操縦できることになっています。  こう考えると、確かにローター回転が低下感知することが可能ですね。

映画での爆発原因

映画に関しては、ここまで詳しくは書かれていません。


「そこまでしてヘリを落としたいのか!!」

という発言があります。  で、この場面で出てくるものは、操縦系統に使われている「サーボアクチュエータ」のようなもの。映画で爆発するときもここがアップされ爆発します。  映画の中盤で、雑貨(綾野剛さん)がこのものを組み立てているようなシーンもあります。果たしてこれが本当に私が思っているものかどうかはわかりません。

そうなると、何かしらの原因で人が乗り込んだりして操縦桿を動かした状況、もしくはコントローラーを使って操縦桿を動かした状態に於いて爆発するって仕組みになります。 この辺りは映画と小説の違いがあります。 映画ではコントローラーで動かさない場合は、爆発せずにそのまま落下することになるのです。

真の爆発原因を知りたいところです。

時代設定と小道具たち

今回の映画の設定日時:1995年8月8日 です。 ってことで、小道具、車、PHSに至るまでが当時あったものが使われています。  ここには正直驚きました。 確かに設定を2015年のものにしてしまうと、ラストシーンのつながりはなくなりますし、原作の小説とは様々な点で異なることになります。 初めに出てくるエスティマも古い感じでいかにもファミリーが使ってそうなものです。 Big-Bに関しても、1995年にはこの辺りのディスプレイのものは存在していました。 ただ自動操縦+GPS航行っていうものは現実にはありましたが、ヘリでフル装備になって実用的になったのは最近に思えます。  軍用利用だとその当時からあったのでしょうか。

Togetterの反応

togetter.com

面白いコメントもありましたので紹介しておきます。 ダメだしっぷりがすごい。。。

結果的に、見る人増えそうでよかったです。

是非、多くの人に見て欲しい映画でした!!

今回の天空の蜂って映画ですが、是非多くの人に見て欲しい映画でした。 犯人がなぜ原発テロを起こしたのか、ってことが非常に私にはグサっとくる話でした。

実際に、3.11により日本全国の原発を停止した経験がある私達。それに関する不満や対応。 再稼働をし始める原発。 それをよく思う人、悪く思う人。

このあたりを非常にうまく描写されていると思いました。

最後にひとこと・・・

「沈黙する群衆に警笛を」

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